★ アボリジニの人々
◎アボリジニと呼ばれる人々
5〜6万年ほど前からオーストラリア大陸で暮らす
先住民族(せんじゅうみんぞく)であるアボリジニは、コミュニケー
ションをはかる道具としての言葉をもっていませんでした。
かれらは何を使って、他の人とわかり合えたのでしょう?
彼らは、独特のデザイン・きれいな色使いを工夫して、住まいに
していた壁や木で作った食器などに絵を描き、人に思いを
伝えていたのです。
それは、食べ物のある場所を教えるためのものであったり、
ご先祖様から語り継がれた神話を伝えるものであったり、様々。
アボリジニは、オーストラリア
国内に200以上の部族があり、
海の近くに住む人々・砂漠を
点々とする人々など、いろいろ。
だから、伝えるための絵や
その描き方・材料も色々なのです。
現在では、アボリジナルアートと
して、多くの人に芸術と認められ、
どんどん、人気が高まってきています。
◎アボリジナルアート
←白く見えるのが壁画に描かれた
魚の部分
絵画としてのアボリジナルアートを描くアボリジニも
とても多くなってきている。
人気の高いアーチストの絵は、とても高額。
絵の中に描かれている図案の意味は、
中央の◎は、水や岩を表している。
黒い3本線の群れは、エミューの足跡。
白いUの字型は、人の集まり。
我が家のアボリジナルアートは、
「バーブラ」という砂漠のアボリジニ族の
女の人が描いた作品です。
【CM!】
バーブラさんの所に、日本のTV局の人達が
ロケに来て、その番組は、2月11日に放送
される予定だそうです。
番組名は、「世界うるるん滞在記」です。
※要チェック!
◎ TIWI族(ティウィ)
ダーウィンから、飛行機で20分くらい離れた
所にある島に住んでいる種族。
海洋民族のアボリジニ。
海での狩猟で生活していたが、今は、アボリジニ
アートの工房でお土産品を作ったり、観光客に
自分達の暮らしを紹介したりして、生活しています。
この種族の図柄は、細い線の模様が基本。
その線で描かれた海に関わる生き物や生活
の様子を絵にしています。
この工房は、天井裏までモチーフで埋めつく
されていました。
昔からの染料は、近くでとれる石の粉。
このオブジェは、日本でいう卒塔婆(そとうば)のように、死者のお墓の
そばに立てるのだそうです。
何種類かのモチーフを木に彫りつけ、
そこに染料を塗って、型押ししてデザイン
するやり方もありました。
←TIWI族の子ども達が通う小学校の
壁は、未来のアーチストが描いたアートで
いっぱい。
↓トイレの壁まで!!
神に祈る儀式
TIWI族では、その人個人個人の守り神が
違っていて、ある人はワニだったり、ある人
は水牛だったりするそうです。全て身の回り
の生き物です。
だから、同じ家族でもそれぞれに踊りが違う
のだそうです。
◎ アボリジニ保護区(これより先、許可の無い者は、立ち入り禁止)
ヨーロッパの人々が移り住む、ずっと
昔からオーストラリア大陸に住んでいた
先住民族であるアボリジニですが、ヨー
ロッパ人が来ると、無断で進入してきた
者として場所を追われ、迫害を受けました。
歴史の中でいえば、つい最近になって
オーストラリア政府もそのことを認め、
保護区を作って、アボリジニの住む場所を確保したり、補助金として
生活費を支給したりしています。
しかし、そこにはまた、問題が出ています。
それは、お金が支給されたことによって、働かずにお酒ばかり飲んで
アルコール中毒にかかってしまったアボリジニが増えてしまったこと
です。